行政法の過去問
全 20 問
2025年度
2025年度 全問 →問題 9
行政罰に関する次のア〜エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。 ア 財団法人の理事の就任に関する登記が法定期間内に行われなかったことに対して 科される過料は、非訟事件手続法に基づく手続によって科されるが、中立性のある 裁判所によって、当事者の陳述の機会を設けた上で科されるものであり、かつ即時 抗告も可能であることから、憲法上の適正手続の要請に反しているとはいえない。 イ カルテル行為を行ったことによって独占禁止法*違反被告事件において罰金刑が 確定している者に対し、さらに独占禁止法の規定に基づき課徴金の納付を命ずるこ とは、課徴金を課せられるべき違反者の行為を犯罪とし、それに対する刑罰とし て、これを課する趣旨でないことは明らかであるから、二重処罰の禁止には違反し ない。 ウ 所得税の確定申告において虚偽記載を行い所得税を脱税したことにより、懲役刑 と罰金刑を併科された者に対して、さらに重加算税を科すことは、重加算税が申告 納税を怠った者に対し、その行為の反社会性ないし反道徳性に着目し、これに対す る制裁として科せられるものでもあるから、二重処罰の禁止に抵触する。 エ 刑事裁判において正当な理由がなく証言を拒んだ場合に、刑事訴訟法に基づき裁 判官により秩序罰として科される過料と、同法に基づき通常の刑事手続により科さ れる罰金は、法廷秩序の維持という点で目的が共通しているから、両者を併科する ことは許されない。 1 ア・イ 2 ア・ウ 3 イ・ウ 4 イ・エ 5 ウ・エ (注) * 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
問題 10
行政行為の附款に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
問題 11
行政手続法が定める弁明の機会の付与に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
問題 12
個人情報保護法*によれば、個人情報保護委員会は、個人情報取扱事業者が同法の定める一定の規定に違反した場合において個人の権利利益を保護するため必要があると認めるときは、当該事業者に対し、必要な措置をとるべき旨を勧告することができ(同法 148 条 1 項)、そして、当該事業者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において個人の重大な権利利益の侵害が切迫していると認めるときは、当該事業者等に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずること(以下「命令」という。)ができる(同条 2 項)。 上記の勧告と命令に関する次のア〜エの記述のうち、行政手続法の定めに照らし、妥当なものの組合せはどれか。なお、上記勧告は処分(同法 2 条 2 号)ではなく行政指導であり(同条 6 号)、命令は処分であることを前提にする。 ア 勧告は、命令を行う前に執られる弁明の機会の付与のための通知に該当する。 イ 勧告に携わる者は、その相手方に対し、勧告の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。 ウ 勧告を受けた者は、これに続く命令が個人情報保護法に規定する要件に適合しないと思料する場合、個人情報保護委員会に対し、行政手続法の定めに従って、当該命令をしないよう求めることができる。 エ 個人情報保護委員会は、命令をする場合、その名宛人に対し、原則として、同時にその理由を示さなければならない。 1 ア・ウ 2 ア・エ 3 イ・ウ 4 イ・エ 5 ウ・エ (注) * 個人情報の保護に関する法律
問題 13
行政手続法が定める申請に対する処分に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
問題 14
行政不服審査法の規定に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
問題 16
行政不服審査法が定める教示に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
問題 17
抗告訴訟の対象に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
問題 18
処分取消訴訟の出訴期間について定めた下記の規定に関する次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。 行政事件訴訟法(行訴法)14 条 1 項「取消訴訟は、処分…があったことを知った日から 6 箇月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。」 なお、本問では「処分…があったことを知った日」を「基準日」という。
問題 19
処分差止めの訴えに関する次のア〜オの記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。 ア 処分差止めの訴えは、一定の処分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるときに限り提起することができる。 イ 処分差止めの訴えは、対象となる処分がされることにより生ずるおそれのある損害が、処分がされた後に取消訴訟等を提起して執行停止の決定を受けることなどにより容易に救済を受けることができないときに提起することができるとするのが判例である。 ウ 処分差止めの訴えは、義務付けの訴えと同様、申請に対する処分を対象にする場合とそれ以外の処分を対象にする場合に区分され、訴訟要件と本案勝訴要件につき、それぞれ別個の定めが置かれている。 エ 取消しの訴えについては、処分又は裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有する旨の規定が置かれているが、この規定は、処分差止めの訴えには準用されていない。 オ 仮の差止めは、処分差止めの訴えを提起する前においても申し立てることができるが、本案について理由がないとみえるときは、仮の差止めの決定をすることができない。
問題 20
国家賠償法 1 条に関する次のア〜エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。 ア 国家賠償法 1 条は「公権力の行使」によって生じた損害に適用されるが、ここにいう「公権力の行使」は、行政事件訴訟法において抗告訴訟の対象を表す「公権力の行使」と同じ意味であるから、国会議員が行う立法行為は、この概念には含まれないとするのが判例である。 イ 国家賠償法 1 条は「公権力の行使」によって生じた損害に適用されるが、行政指導や情報提供などの非権力的行政作用も、ここにいう「公権力の行使」に含まれうるとするのが判例である。 ウ 国家賠償法 1 条による賠償責任を認めるには、加害公務員が「職務を行うについて」他人に損害を与えていることが必要であり、公務員が職務執行の意思をもたずに私的な目的のためになした違法行為については、その外形のいかんにかかわらず、行政主体の賠償責任は成立しないとするのが判例である。 エ 国家賠償法 1 条による賠償責任を認めるには、加害公務員が職務上尽くすべき注意義務に違反していることが必要であるが、公務員が法律解釈を誤って違法行為を行ったとしても、それにつき異なる見解が対立し、そのいずれについても相当の根拠が認められる場合には、行政主体の賠償責任は成立しないとするのが判例である。
問題 21
国家賠償法に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。 (注) * 失火ノ責任ニ関スル法律
問題 22
条例の適法性に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当でないものはどれか。
問題 23
都道府県における知事と議会の関係に関する次の記述のうち、法令に照らし、妥当なものはどれか。
問題 24
普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与に関する次のア〜エの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。 ア 各大臣は、その担任する事務に関し、都道府県の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、当該都道府県に対し、是正の要求をすることができる。 イ 各大臣は、その担任する事務に関し、市町村の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときに、都道府県知事に対し、当該事務の処理について違反の是正のために必要な措置を講ずべきことを当該市町村に求めるよう指示をすることはできず、これを当該市町村に対し直接に指示することができる。 ウ 都道府県知事は、市町村長の担任する自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、各大臣の指示によることなく、当該市町村に対し、是正の要求をすることができる。 エ 各大臣は、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、当該都道府県に対し、是正の指示をすることができる。
問題 25
建築に関わる紛争に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
問題 26
行政機関情報公開法*(以下「法」という。)に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。 (注) * 行政機関の保有する情報の公開に関する法律
問題 41
問題41 次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 〜20)から選びなさい。 憲法 13 条は、人格的 [ア] に関わる重要な権利として、自己の意思に反して [イ] を受けない自由を保障しているところ(最高裁令和 2 年(ク)第 993 号同 5 年 10 月 25 日大法廷決定・民集 77 巻 7 号 1792 頁参照)、不妊手術は、生殖能力の喪失という重大な結果をもたらす [イ] であるから、不妊手術を受けることを強制することは、上記自由に対する重大な制約に当たる。したがって、正当な理由に基づかずに不妊手術を受けることを強制することは、同条に反し許されないというべきである。 ・・・(中略)・・・。 憲法 13 条は [ウ] と人格の尊重を宣言しているところ、〔不妊手術を強制する当時の優生保護法の〕本件規定の [エ] は、特定の障害等を有する者が不良であり、そのような者の出生を防止する必要があるとする点において、立法当時の社会状況をいかに勘案したとしても、正当とはいえないものであることが明らかであり、本件規定は、そのような [エ] の下で特定の個人に対して生殖能力の喪失という重大な犠牲を求める点において、 [ウ] と人格の尊重の精神に著しく反するものといわざるを得ない。 (最大判令和 6 年 7 月 3 日民集 78 巻 3 号 382 頁)
問題 42
問題42 次の文章は、ある最高裁判所判決の一節である。空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 〜20)から選びなさい。 条例が国の法令に違反するかどうかは、両者の [ア] と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、 [イ] 、内容及び効果を比較し、両者の間に [ウ] があるかどうかによってこれを決しなければならない。例えば、ある事項について国の法令中にこれを規律する明文の規定がない場合でも、当該法令全体からみて、右規定の欠如が特に当該事項についていかなる規制をも施すことなく放置すべきものとする趣旨であると解されるときは、これについて規律を設ける条例の規定は国の法令に違反することとなりうるし、逆に、特定事項についてこれを規律する国の法令と条例とが併存する場合でも、後者が前者とは別の [イ] に基づく規律を意図するものであり、その適用によって前者の規定の意図する [イ] と効果をなんら阻害することがないときや、両者が同一 [イ] に出たものであっても、国の法令が必ずしもその規定によって全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく、それぞれの普通地方公共団体において、その [エ] に応じて、別の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは、国の法令と条例との間にはなんらの [ウ] はなく、条例が国の法令に違反する問題は生じえないのである。 (最大判昭和 50 年 9 月 10 日刑集 29 巻 8 号 489 頁)
問題 43
次の文章の空欄 ア 〜 エ に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 〜20)から 選びなさい。 いわゆる在外邦人国民審査権訴訟は、現に国外に居住していて国内の市町村の区域 内に住所を有していない日本国民(在外国民)が原告となり、在外国民に最高裁判所 裁判官国民審査(国民審査)に係る審査権の行使が認められていないことの適否等が 争われた事件である。原告は、被告・国に対し、①主位的に、次回の最高裁判所裁判 官国民審査において審査権を行使することができる地位にあることの確認を求めると ともに(本件地位確認の訴え) 、②予備的に、被告・国が原告に対して国外に住所を 有することをもって次回の国民審査において審査権の行使をさせないことが憲法の規 定に違反して違法であることの確認(本件違法確認の訴え)を求めた。 これについて、最高裁判所大法廷は、最高裁判所裁判官国民審査法(国民審査法) が在外国民に審査権の行使を全く認めていないことは、憲法に違反するとし、とりわ け、本件違法確認の訴えにつき、要旨次のような判示を行った(最大判令和 4 年 5 月 25 日民集 76 巻 4 号 711 頁)。 ①本件地位確認の訴えは、 [ア] に関する確認の訴えと解され、国民審査法 4 条、 8 条の解釈に基づいて、次回の国民審査において審査権を行使することができる 地位にあることの確認を求めているものと解される。しかしながら、国民審査法の規 定により在外国民に審査権の行使が認められていると解することはできないから、本 件地位確認の訴えに係る請求は理由がなく、 [イ] である。 ②本件違法確認の訴えは、国民審査法が在外国民に審査権の行使を全く認めていな いことが違憲であることを理由として、被告・国が原告に対して国外に住所を有する ことをもって次回の国民審査において審査権の行使をさせないことが違法であると主 張し、その確認を求めるものである。このような訴えは、 [ア] に関する確認の訴え と解され、当該訴えにおいて [ウ] が確定した場合、国会において、裁判所がした違 憲である旨の判断が尊重されるものと解されることも踏まえると、結果的に上記の争 いを解決するために [エ] な手段であると認められ、 [ア] に関する確認の訴えとして 適法である。上記の違憲判断を踏まえ、本件違法確認の訴えに係る請求も認容すべき ものである。